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1969.4.26〜4.27 [当時の「記録」]

《高橋(和巳)、吉本のあとにつづくわれわれの世代のなしうることは、彼らの認識の上に立って、いかに創造するか、を追求してゆくことだ!!》《現代にあっては認識に「とどまる限り」死骸でしかありえない。勿論、認識のない創造が空虚であることはいうまでもない。》

「認識」の次元から「創造」次元への脱皮、あるいは飛躍。その意気やよし。これからどんな展開があるのか、私にもわからない。

*   *   *   *   *

4/26 1:20pm
"肉体の領域で、あるいは精神の領域で創造することは、肉体の牢獄から脱出することであり、生の大風の中に飛び込むことであり、「実存するその者」であることである。創造すること、それは死を殺すことである。”

わかる様な気がする。そのものを別のもので表現しようとする限り、決して、そのものには接近することができても、そのもの自体になることはできない。われわれが、美、ほんとうの美を■めることができるとすれば、それは創造によってしかありえない。

”地上においていつまでも孤立しているにすぎない非創造的な人ーー自分自身のひからびたからだと、生の炎が決してほとばしり出ないような自分のうちの暗やみとを見つめている人は不幸だ! 春に花咲く木のように生と愛との重さを持たず、自己の豊穣を感じない魂は不幸だ! その魂は、たとえ世の中が名声と幸福とを山ほど与えるとしても、その場合■の中は、一個の死骸の頭に冠をかぶせているのだ。”

現代にあっては認識に「とどまる限り」死骸でしかありえない。勿論、認識のない創造が空虚であることはいうまでもない。

高橋、吉本のあとにつづくわれわれの世代のなしうることは、彼らの認識の上に立って、いかに創造するか、を追求してゆくことだ!!

絶望の虚妄なるは、希望の虚妄なるに等しい!!(魯迅)

4:05pm
”人は悟性によって創造するのではない。人は必然性によって創造する。ーーそれに大多数の感情と虚飾の中へ逆もどりしないためには、それを認識したというだけでは十分でない。それには、長い間の、骨の折れる努力が必要である。数世代にわたって受け継がれてきた惰性的な習慣の重荷を持っている現代社会の中で、虚偽からまったく脱却することは最もむつかしいことである。”
”生きることだ! 過剰にまで生きることだ! 自分のうちにこんな力の酔い心地を、こんな生の歓呼をーーたとえ不幸の底にあってさえわき上がる生の歓呼をーー少しも感じない人は芸術家ではない。芸術家であるかないかの試金石はこれである。まことの偉大さは、喜びと苦悩の中で歓呼しうるその力において認められる。” !?

5:05pm
”だれの気にもさからわずに成功を追い求めようとすれば、一生涯じゅうあきらめて、平凡な人々に、彼らの消化することのできる平凡な真理だけを与えるほかない。いつまでも生のこちら側だけにとどまっているよりしかたがない。人は、こんなおもわくを踏みにじるときに初めて偉大である。”

6:15pm
”何もかも所有している者にとっての極度のぜいたくは、社会を否認することである。そうすることによって人は、自分が社会に負けているものから自分を脱却させるのである。”

7:40pm
原田が久しぶりに来てゆく。思ってたより元気。もっと消耗してるはずだが、・・・といった。
おれは原田に何もいわんでいいのだろうか、とふと思う。おれは、面と向かってくちでいう自信はない。(何故か?
ここに人間「関係」の謎ともいうべきものがかくされているのかもしれぬ。)書くこと、か。

0:45pm
”人間の力は、最初の登り坂をよじ登ると息切れがして立ちどまってしまうほどに弱い。さらに前進するだけに十分な強さの肺を持っている人ははなはだ少ない。”

4/27 4:45pm
ジャン・クリストフ 序より
”《人間的ユニテ(一如)がどんな多様な形をとって現れていようとも、常にその人間的ユニテを示すこと。これが科学の第一目的であると同様に芸術の第一目的でなければならない。これが「ジャン・クリストフ」の目的である。》”
”「率直に語れ!虚飾なく、てらいなく語れ!理解されるために語れ!文学上の趣味においてうるさい人々の群れにりかいされるためではなく、無数の人々に、最も質朴な人々に、最も謙虚な人々に理解されるために!あまりに理解され「すぎ」はしまいかとの心配を決してもつな!影やとばりで包むことなく語れ!明瞭にしっかり語れ、やみがたいときには重苦しい話しぶりでもかまわない。それによっておまえの足がいっそうつよく地を踏みしめているのなら、それでいい!そしておまえの考えをいっそうよく人々の心の中へいれるためにおなじことばをくりかえすことがおまえのために有効であるなら、くりかえせ。それによって人の心に■■させよ。その場合は別の言葉を探そうとするな!ただの一語も失わないようにせよ。おまえのことばを行動として生きるがいい!」”

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