「記録」を写しながら頭に浮かべていたのが、その5ヶ月前の11月1日、寮祭でやった演劇のことだった。台本があの辺にあるはずと探したらあった。「記録」がしんどいところにさしかかってきたので、気分転換にこっちを写すことにした。気分に任せて第一景を写し終えた。いま、すっかり当時の空気に浸っている。《思い出話なんてのは、先に何もすることのなくなった年寄りのすることですもの。》当時からみれば6年後、27歳の設定、そして今や72歳。「先に何もすることない」どころか、どんどん増えてくる。そうか、「思い出話」も歳を重ねれば増えてくる。

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